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グリーンフォーカス 令和6年2月号

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農業技術センター茶業試験場 : 2024/02/01

県内産荒茶の仕上げ加工技術


  • はじめに

県内販売煎茶のブランド力を高め販売力を強化するため、荒茶品質に合わせた仕上げ加工技術を確立する必要がありますが、仕上げ加工技術については十分検討されていませんでした。
そこで、仕上げ技術を改善するために、荒茶品質に合わせた効率的な仕上げ加工技術を確立ました。
なお、これまでは加工業者の勘や経験に頼って行われ、数値化された手順や指標はありませんでした。


  • 県内産荒茶の仕上げ加工技術の特徴

1. 県内産荒茶(普通蒸し煎茶)は、審査、選別、火入れ、合組の工程により製造することで、短時間で荒茶品質に合わせた仕上げ茶を製造することができます(図1)。



図1

1)荒茶の選別の手順は、平行篩(ふるい)で篩分し、篩上と篩下それぞれを風力選別、色彩選別してから廻し篩で選別することで、短時間で作業することができます(図2、表1)。


図2 表1

2)A品荒茶は、外観、内質が優れるので、それらの特性を生かした火入れとします。回転ドラム式火入れ機による火入れでは90℃30分前後が、さらに弱い火香を付ける場合は100℃20~30分前後が適します(表2)。


図3

3)B品、C品は、火入れ茶特有の滋味と芳香を生成させ、香ばしさを強調するため、中程度から強い火香を付ける火入れとします。回転ドラム式火入れ機による火入れでは100℃30~40分前後が適します(表3)。


表3

4)中級茶にA品の頭(大きめの葉)、または並茶に刈番茶や二番茶の本茶を合組する等により、品質の向上や増量を図ることができます(表4、5)。


表4 表5

5)合組は、まず少量で配合を変え、外観と内質が茶格(上級茶、中級茶、並茶)に合っているか審査して合組割合を検討し、決定した割合で全体が均一になるよう混ぜ合わせます。上級茶同士、中級茶同士の合組は、品質が優れる茶に劣る茶を合組しても品質の低下がみられない可能性が示唆されました(表6、7)。


表6 表7
  • おわりに

荒茶品質に合わせた土佐茶の仕上げ加工技術が確立され、土佐茶の品質向上、販売力強化、農家所得の向上に寄与できます。




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