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グリーンフォーカス 令和5年4月号

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中央西農業振興センター 農業改良普及課 : 2023/04/01

いの町吾北地域の農業振興


  • 地域の現状

 いの町吾北地域では、高齢化に加え基幹品目が少なく、地域で生活していくには新たな品目の組合せ等による所得の確保が必要となっています。
 そこで、吾北地区農家の約半数が栽培しているユズの再構築を図りつつ、今後地域の核となりえる新規就農者や(農)上東、(公財)いの町農業公社の経営安定化を目指し、地域で連携した体制づくりを図る必要があります。


  • 2 活動内容

1)ユズの生産体制の整備
(1)優良系統の導入支援
 「高吾北ユズ産地構造改革計画」が承認されたことに伴い、役員会や剪定講習会および改植検討会で、間伐や改植・新植する場合の果樹経営支援対策事業の活用について周知を行いました。また、トゲなし優良系統の調査ほ設置や現地調査により、間伐や改植について啓発を行いました。
(2)省力化機器の導入支援
 ユズ部会役員会での自動選果機の紹介や総会資料での回覧、および関係機関との打合せ等により、自動選果機の導入や運用計画の策定について支援を行いました。
(3)担い手への園地の集積・集約化
 役員会や関係機関との連絡会・打合せ、地域担い手への聞き取りを行い、ユズ園地台帳の作成や台帳をもとにした地図の作成支援を行いました。また、役員会で、担い手への園地継承に向け、優良園地台帳の作成と園地の現状確認、その必要性について説明を行いました。その後、上八川地区からその地区の役員やJA職員と優良園地の現地確認を行いました。


写真1 園地台帳と連動した地図

                        写真1 園地台帳と連動した地図


2)新規就農者へのフォローアップ
 新規就農者4人に対し、就農計画に則した栽培状況について、サポートチームで現地確認、面談を行い、課題、問題点および対策等について協議しました。重点指導農家には、計画をもとに毎月、現地確認と面談を行い、栽培状況等聞き取りを行いました。また、個別に病害虫防除および肥培管理等指導を実施しました。


写真2 イチゴ苗の現地確認

                         写真2 イチゴ苗の現地確認


3)(農)上東の経営発展支援
 地域の担い手となる運営を目指し、経営規模の拡大・効率化に向けてユズ栽培を提案しました。また、酒米・水稲講習会等で栽培技術の情報提供を行いました。


写真3 (農)上東ユズ園地調査

                         写真3 (農)上東ユズ園地調査


4)(公財)いの町農業公社の経営安定支援
 新規研修指導者の研修体制の整備や、経営安定に向けた定例会を行い、ニラやワサビの育苗・栽培指導を行いました。
また、ワサビについては発芽率向上に向け試験を実施し、取引企業との情報交換の場を提案しました。


写真4 若手研修指導者への栽培指導

                       写真4 若手研修指導者への栽培指導


  • 地域の動き及び活動の成果

1)ユズの生産体制の整備
(1)優良系統の導入支援
 19aの樹園地で果樹経営支援対策事業を活用することが決定しました。そこで新植・改植されるユズは、すべてトゲなし系統の予定です。
(2)省力化機器の導入支援
 令和5年度にこうち農業確立総合支援事業を活用し、自動選果機の導入に向けて申請を行うこととなりました。
(3)担い手への園地の集積・集約化
 吾北地区におけるユズ園地台帳はほぼ完成し、台帳をもとにした地図は20戸、30ヶ所を登録しました。さらに地図作成マニュアルも完成しました。また、ユズ部会で優良園地台帳の作成について協力が得られ、上八川地区から役員やJA職員との連携により、園地台帳をもとに現地確認が始まりました。
2)新規就農者へのフォローアップ
 半農半Xモデルのニラ栽培農家や品目転換した農家1人の経営は順調で、目標販売額は達成されました。
3)(農)上東の経営発展支援
 経営規模拡大・効率化のためのユズ栽培が合意され、次年度より開始することとなりました。また、県酒米品評会において、高い技術力が評価され、組合員3人が上位入賞しました。
4)(公財)いの町農業公社の経営安定支援
 (1)新規研修指導者に対し、関係機関、篤農家を巻き込んだ指導者育成勉強会が始まり、ニラの反収が約2倍、販売額が3.7倍となりました。また、ニラ育苗では、適正なほ場準備、かん水管理、低温対策や適正施肥の実施等、これまでより適切な肥培管理が行われるようになりました。
 (2)ワサビ育苗では、発芽率が向上する環境要因が明らかとなり、発芽試験結果からR5年度育苗計画について取引企業や関係機関との情報交換を来年度も継続することとなりました。


  • 今後の展開について

1)ユズの生産体制の整備
 間伐・改植の推進で労働生産性を改善しながら、ユズ部会全体の園地の“見える化”により、産地全体の栽培状況の把握に引き続き取り組んでいきます。また、自動選果機の導入により冬至用規格出荷率の向上を図ります。さらに、優良系統の母樹園も活用し、苗木を安定的に供給できるよう整備していきます。
2)新規就農者へのフォローアップ
 継続した経営安定のために、就農計画の目標販売額達成を目指し、適期の栽培管理、病害虫対策等について栽培指導していきます。
3)(農)上東の経営発展支援
 次年度でのユズの改植と新植に向けて支援していきます。
4)(公財)いの町農業公社の経営発展支援
 研修体制の充実と、経営を安定化させるためのニラ、ワサビの育苗や栽培支援や部門の検討等を行っていきます。




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