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グリーンフォーカス 令和6年6月号

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中央西農業振興センター 農業改良普及課 : 2024/06/01

土佐市促成ピーマンの産地振興


  • 1 地域の現状

 土佐市のピーマンは、栽培面積、生産量ともに県内1位の産地であるものの、部会員数及び栽培面積は、令和5園芸年度から減少しており、産地の衰退が危惧されています。
 そこで、将来、産地が目指すべき姿に向けて関係機関が連携して長期産地ビジョン“ピーマンのまち土佐市構想”を作成し、実現に向けて取り組むこととしました。


  • 2 活動内容

1)長期産地ビジョンの実践に向けた推進体制整備
 令和5年度、前年度から進めていた集出荷場処理量の改善に向けた取組の最終調整を行うとともに、10年後(令和14園芸年度)の目標を定めた“ピーマンのまち土佐市構想”の実現に向けて推進体制を整備しました。「既存農家の増収対策」、「労働力の確保」、「担い手の確保・育成、農地・ハウスの確保」の3チームを関係機関で構成し、全体統括、統括補佐、各チームにチーム長を配置しました。


図1 推進体制

                        図1 推進体制


2)長期産地ビジョンの実践
 各チームが令和14園芸年度までの園芸年度毎の目標及び令和6園芸年度の計画を策定し、計画をもとに実践しています。また、2カ月に1度、全チームで全体会を実施し、進捗状況の共有や今後の活動について検討しています。


  • 3 地域の動き及び活動の成果

 こうち農業確立総合支援事業を活用し、令和5年12月に出荷レーンが高度化されると同時に、出荷調整作業の一部が福祉事業者へ業務委託され始めました。
 「既存農家の増収対策」チームでは、生育・環境・土壌データ等を収集・分析し、個別にフィードバックしたり、勉強会・視察研修、生産者に役立つ情報を発信するICM通信の発行、チーム巡回等による栽培改善支援を実施することで、データを活用した栽培への意識が高まっています。


ICM通信

                        図2 ICM通信


 「労働力の確保」チームでは、生産者の労働力不足解消を目指したピーマンの収穫体験会を実施し、参加者3名と生産者をマッチングすることができました。


収穫体験

                        写真1 収穫体験会


 「担い手の確保・育成、農地・ハウスの確保」チームでは、就農希望者や品目転換希望者への個別面談の実施や、就農相談会への参加により、令和6園芸年度からピーマンへの品目転換者2名を確保できました。令和7園芸年度には親元従事者1名、令和8園芸年度以降には独立自営就農者4組5名を確保できる見込みとなっています。また、新規就農者等が円滑に中古ハウスを継承できる仕組みの構築に向けて先進地との意見交換会、既存生産者ハウスの現状把握等を行うことで、ハウス情報を関係機関で共有する体制が整い、中古ハウス登録・保全については令和6年度から取り組むこととなっています。


就農相談会

                        写真2 就農相談会


  • 4 今後の展開について

 「既存農家の増収対策」チームでは、引き続き、実証ほでのデータ収集・フィードバック、勉強会の実施等、積極的にデータ駆動型農業を推進して既存農家のレベルアップを図ります。「労働力の確保」チームでは、収穫体験会の開催回数を増やすとともに、生産者と農業で働きたい人をマッチングする「あぐりマッチこうち」の利用推進等を行います。「担い手の確保・育成、農地・ハウスの確保」チームでは、県外の就農相談会への参加回数の増加、指導農業士の増員、事業を活用した中古ハウスを継承する仕組みの構築等を行い、新規就農者等のサポート体制を強化していきます。




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