WCS用稲への取り組み
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●はじめに
近年人口減少などによるお米の需要が減少するなか、新型コロナウィルス感染症の影響を受け、需要の減少に拍車がかかりました。
このままでは米価が大きく下落し、収入が減少する恐れがあるため、主食用米から栽培品目の転換を促し、お米の生産量を減少させる政策がとられています。
具体的には、主食用米から転作しやすい品目である飼料用米や米粉用米、加工用米、WCS用稲などを作付けする販売農家や集落営農組織へ、直接交付金が支払われる支援体制があります。
特に、飼料用米は、栽培方法が主食用米とほとんど変わらず、助成金額も比較的大きいことから、最も導入が検討されてきました。しかし、収量に応じて助成金が増減するしくみになっており、高収量の場合は高い助成金が得られますが、低収量のときには収支がマイナスになってしまうなど、技術的なハードルもあります。
そのような中、WCS用稲は栽培が比較的容易で、助成金額も高いことから、導入を検討する経営体が多くなっています。
●WCS用稲とは
WCS用稲(発酵粗飼料用稲)は、水稲の地上部全体(茎葉と穂)を株元から刈り取り、混合してロール状にした後、フィルムで包み込んで(ラッピング)、嫌気状態で発酵させたものです。
これらは乳牛や肉用牛の飼料として使用されますが、畜産農家にとって、輸入飼料価格が高騰する中、比較的安価で確保できるとともに、安全・安心な国産飼料となるために引き合いが大きくなっています。
水田としての機能を維持したまま転作できる品目は貴重で、水稲栽培のための機械・施設がそのまま使用できるのは大きなメリットです。収穫後の作業が主食用米より簡易で(乾燥、籾すりなどがないこと)、直播栽培などのより簡易な栽培法の検討も可能です。
また、水田で生産したWCS用稲を飼料として牛に給与し、その牛の排せつ物から生産した牛ふん堆肥を水田に還元することで、環境に優しい資源循環型農業が構築されます。
そして、これまで畜産農家が輸入飼料を購入することで地域外に流出していた購入費用が地域内に留まるようになり、地域内経済への貢献になります。
●管内における取り組みと問題点
これまで述べてきたような状況のもと、管内のWCS用稲の栽培面積は増加傾向にあります。WCS用稲は、畜産農家の需要に応じて作付け計画を検討する必要がありますが、まだ畜産農家の需要量に地域内での供給は追いついていないため、作付け面積にはまだ余裕があります。
このように、管内では少しずつWCS用稲の生産は増加していますが、問題点もあります。
WCS用稲生産用の施設・機械は主食用米用とほとんど同じですが、収穫に関しては専用の収穫機が必要になります。
しかし管内には十分な収穫機が配備されておらず、収穫、ラッピングに関しては、ほとんどが地区外の組織への作業委託に頼っています。収穫作業は地区外から搬入される機械によって集中的に行われるため、収穫時期については十分な計画性が求められ、品種は中生に限られています。
管内は自家育苗が少ないためか、専用品種(タチアオバなど)の導入が少なく、主食用米品種の作付けが多い状況です。専用品種の収量は主食用米品種を上回るので、専用品種の導入は今後の検討材料です。
管内のWCS用稲の安定生産にはまだ十分なしくみが出来ていませんが、少しずつ構築して農村環境の存続に寄与していきます。
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