ナスの「カイゼン」の取組みについて
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 安芸農業振興センターでは、農作業の省力化や身体的負担軽減のため、作業工程の「カイゼン」に取り組んでいます。
 今回は、令和3園芸年度に促成ナス栽培で行った実証試験についてご紹介します。
 
取組の背景
 安芸地区の促成ナスでは、環境制御技術を導入した農家の、約7割の方が増収を実現しています(平成30年 JA調べ)。一方で、収量の増加に伴い、3月以降の労力不足が顕在化しており、農作業の効率化・省力化が課題となっています。
 そこで、振興センターでは、労働時間の約76%を占め、機械化が困難な収穫作業、整枝・摘葉作業の「カイゼン」に取り組みました。
下位側枝摘除による収穫作業、整枝・摘葉作業のカイゼン
 ナスでは果実を収穫すると同時に、側枝を一芽残して切り戻す整枝方法によって、約9ヶ月間収穫を行います。
 しかし、足下にある下位側枝の切り戻しは、膝付近の高さで前屈姿勢になって行うため、身体的負担が大きく、収穫効率も下がります(写真1)。
↑写真1
 改善策として、下位側枝(下から2節を目安)を果実収穫後に基部から摘除する整枝方法の実証試験を行いました(写真2)。
↑写真2
カイゼンの結果
 下位側枝を摘除すると、膝付近の高さでの作業が無くなり、前屈みになる姿勢が減り、身体的負担が軽減されました(写真3)。
↑写真3
 また、収穫できる下位側枝を摘除することで、収量が減少するおそれがありましたが、今回の実証では、他の側枝での収穫果実数が増えたことにより、下位側枝を摘除しない慣行区と比べ、103%の収量となりました(図1)。下位側枝摘除を行った複数の生産者からは、「作業が楽になった。」、「収量の減少は気にならなかった。」という評価がありました。
↑図1
 促成ナス栽培では、かん水や天窓の自動開閉などの自動化・機械化が進み、以前に比べると効率化・省力化が進んできました。しかし、環境制御技術の導入が進み、収量が増加する中、各作業工程の、さらなる効率化・省力化が必要です。「もっと楽しく、もっと楽に、もっと稼げる」栽培を目指して、一緒に「カイゼン」に取り組んでみませんか。
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