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グリーンフォーカス 令和4年2月号

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中央西農業振興センター 農業改良普及課 : 2022/02/01

スマート農業による露地ショウガの生産安定


  • 地域の現状

 JA高知県土佐市生姜部会(以下、生姜部会)は、生産者87戸、栽培面積30haと県を代表するショウガの産地です。しかし、青枯病等の難防除土壌病害により、栽培が継続できない農地が増加しており、部会では異常株の早期発見や青枯病に有効な低濃度エタノール等を活用した土壌還元処理等による農地の健全化対策に関心が高まっています。
 そこで、農業改良普及課では、ドローンを活用した異常株の早期発見技術の実用化と地域の実情に応じた土壌還元処理の推進を行っています。


写真1 ドローン空撮

                         写真1 ドローン空撮の様子


  • 2 活動内容

1)課題解決のための組織体制
(1)土佐市ショウガスマート農業協議会(以下、協議会)の設立支援
 農業改良普及課は、ドローン等を活用したスマート農業技術の導入に向けて関係機関に働きかけ、令和元年6月に生姜部会、農業改良普及課、農業技術センター、JA高知県とさし(以下、JA)、土佐市、ドローン販売企業等で構成する協議会が設立されました。
(2)生姜部会役員会での協議
 部会役員会は、協議会で決定した活動内容を基に、ドローンの空撮・土壌還元処理実施ほ場の選定や部会員への土壌還元処理の周知方法等について定期的に検討するなど協議会活動内容の確認や情報共有の場となっています。

2)ドローン空撮によるほ場監視技術の確立
(1)難防除土壌病害の早期発見に向けた空撮データの収集と解析
 データ収集は、生産者とJA及び普及課、ドローン販売業者が連携し、今年度は14ほ場で7回実施しました。空撮カメラは、肉眼では確認しづらい僅かな違いも捉えることができる色差カメラに加え、温度を可視化できる赤外線カメラも使用しています。
 農業革新支援専門員や農業技術センター、ドローン販売企業で構成する空撮データ解析検討会を開催し、色差及び赤外線カメラ撮影データをもとに異常株が発見可能かなどデータの解析方法を検討しています。


写真2 解析検討会の様子

                        写真2 解析検討会の様子


(2)地域に応じた土壌還元処理の推進
 土壌還元処理には、多量の水が必要ですが、水が確保しずらい地域では雨水を利用し、効果的な土壌還元処理が実施できるか調査しました。また、地域の土壌還元処理実施状況を確認するため、ドローン空撮を行いました。調査結果を基に処理時期等の注意点等を記載した地域版の土壌還元処理マニュアルを生姜部会とJAとで協議し、作成しました。


写真3 土壌還元処理の様子

                         写真3 土壌還元処理の様子



写真4 上空から還元処理状況を確認

                       写真4 上空から還元処理状況を確認


  • 地域の動き及び活動の成果

1)課題解決のための組織体制の整備
(1)土佐市ショウガスマート農業協議会の設立
 協議会を核に生姜部会と関係機関、関連企業の連携が強化され、スマート農業技術の開発が効率的に行う事が可能となりました。その結果、生姜部会全体にスマート農業を活用した課題解決への関心が高まっています。
(2)生姜部会役員会での協議
 部会役員会で協議会活動について情報共有や協議することにより、部会と一体となった取組に繋がっています。今年度は新型コロナウイルスの影響で部会活動が大きく制限されましたが、タイミング良く勉強会を開催する事ができ、土壌還元処理の注意点について周知することができました。

2)ドローン空撮によるほ場監視技術の確立
(1)難防除土壌病害の早期発見に向けた空撮データの収集と解析
 色差カメラでは、波長域を組み合わせることで可視光(人の目で見える波長)カメラより異常株を識別しやすいことや、赤外線カメラでは、葉温の上昇程度により目視で確認できる2〜3日前に異常株を識別できる可能性があります。しかし、実用化に向けては、さらに撮影データを収集し分析する必要があることが分かりました。
(2)地域に応じた土壌還元処理の推進
 雨水を利用した土壌還元処理について、青枯病菌が検出されたほ場でも処理後は検出限界以下まで菌密度が低下し、次作の青枯病の発生を抑えることができました。また、作成したマニュアルを使用し、土壌還元処理の注意点について生産者に周知することで、土壌還元処理実施ほ場数が令和元年度の3箇所から、令和3年度は24箇所に増え、生産者の農地健全化意識の向上に繋がっています。

(3)生産者からの声
 生産者からは、土壌病害対策は、産地にとって重要な課題であり、異常株の早期除去
が可能な監視システムが利用できるようになれば、面積が広く生育状況の確認がとりづらいほ場では助かる。
 また、土壌還元処理に、雨水を利用できれば、水の確保が難しいほ場でも処理が可能となる等のご意見を頂きました。


  • 今後の展開について

 ドローン空撮による異常株の早期発見技術の実用化に向けては、今後も関係機関と連携を図り、データを収集・解析していきます。また、土壌還元処理については地域の実情に合わせた処理方法の周知と、ドローン空撮による効果確認で農地の健全化を推進するなど、今後もスマート農業を活用し土佐市ショウガの生産安定に繋げていきます。




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