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新しい病害虫 VOL.1 トマトハモグリバエ

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病害虫防除所 : 2013/06/20

トマトハモグリバエ

学名:Liriomyza sativae Blanchard

発生作物:キュウリ、メロン、トマト、ミニトマト


発生経過

  1. 平成12年末よりキュウリ、メロンでハモグリバエの被害が見られ、県農業技術センター昆虫科で採取、保管していた標本を平成13年9月、横浜植物防疫所に同定依頼したところ、本県では未確認のトマトハモグリバエであることが確認されました。
  2. 平成13年9月〜10月に県下の露地キュウリを中心にハモグリバエを採取、県農業技術センター昆虫科で同定を行ったところ、全てトマトハモグリバエであったことから、本種は県下に広く分布しているものと考えられます。
  3. 本種は中南米原産で、国内では平成11年4月に沖縄県で初めて確認され、同年、山口県、京都府でも確認された。その後、関東以西で発生が拡大し、中国四国地域では香川県、広島県、岡山県で発生が報告されています。

形態

 本種は体長1.3〜2.3ミリの小型のハエで、成虫、幼虫とも近縁のマメハモグリバエ、ナスハモグリバエと酷似しており識別には実体顕微鏡による成虫の観察が必要です。本種成虫頭部の外頭頂剛毛の着生部は黒色、内頭頂剛毛の着生部は黒色と黄色部の境界域であるのに対し、マメハモグリバエ、ナスハモグリバエの同部は黄色です(下写真参照)。

 


トマトハモグリバエの頭部 マメハモグリバエの頭部

左:トマトハモグリバエの頭部、右:マメハモグリバエの頭部(トマトハモグリの方がマメハモグリより黒っぽく見える)
 


生態

  1. 卵は、雌成虫(下写真左)が産卵管で葉に開けた穴の内側に産み付けられます。
  2. 幼虫は葉肉内を食害しながら潜行し、発育すると葉の外に出て地表に落下、土中で蛹になりますが、葉上で蛹になる場合も見られます(下写真右)。葉の絵かき症状や蛹化の方法はマメハモグリバエと酷似していて、識別は困難です。
  3. 1世代(卵から成虫になるまで)の期間は、20℃で約27日、25℃で約18日、30℃で約14日です。また、9.6℃以下になると生育しなくなります。

トマトハモグリバエの成虫 キュウリ葉上の蛹

左:トマトハモグリバエの成虫、右:キュウリ葉上の蛹


被害及び寄主作物

1.幼虫が葉肉内を食害潜行し、絵かき状の被害を発生させます。キュウリでは上位葉まで潜孔が認められ、発生が多い時には葉が白化してしまいます。また、マメハモグリバエではあまり問題にならなかったキュウリなどのウリ科作物で多発生する傾向があります。
 


露地キュウリの被害

2.本種はマメハモグリバエと同様に、ウリ科、ナス科、マメ科、アブラナ科、キク科など極めて多くの植物に寄生する多食性種で、国内で寄生が確認された主な植物は以下のとおりです。

 

科名 作物名
ウリ科 キュウリ、メロン、カボチャ、スイカ、シロウリ、マクワウリ、ヘチマ
ナス科 トマト、ナス、ピーマン、ペチュニア、テリミノイヌホオズキ
マメ科 インゲン、ソラマメ、アズキ、ダイズ、ササゲ
キク科 マリーゴールド、ゴボウ、シュンギク
アブラナ科 ハクサイ、キャベツ、ダイコン、カブ、コマツナ、ブロッコリー
アオイ科 オクラ

防除対策

 新害虫であるため、現在本種に対する登録薬剤はありません。したがって、従来のマメハモグリバエ対策に準じた耕種的防除対策を講じるとともに、他害虫との同時防除で対応してください。

  1. ハモグリバエの食害痕のない苗を確保し、本ぽには持ち込まない
  2. 施設栽培では、成虫の侵入を防ぐため、施設の開口部に寒冷紗等のネット(1mm目以下)を張る。
  3. ほ場及びほ場周辺の雑草にも寄主となる植物があるので、ほ場周辺の除草に努める。
  4. 幼虫等の寄生した植物残渣は、本虫の重要な発生源になるので、ほ場外に出し、土中に埋めるか、ビニールシート等で被覆して虫を死滅させるなどの処理をする。
  5. 本虫の発生ほ場では収穫終了後、施設を密閉して蒸し込み処理を行い、土中で羽化した成虫を絶食により死滅させるなどして、次作への発生源とならないようにする。
  6. マメハモグリバエに登録があり、作物登録のある薬剤で同時防除を行う。


画像

平成14年3月 高知県病害虫防除所作成




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