新しい病害虫 VOL.2 ニラのネコブセンチュウ類
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病害虫防除所 : 2013/06/20
病害虫名:ネコブセンチュウ類
(サツマイモネコブセンチュウ、ジャワネコブセンチュウ、アレナリアネコブセンチュウ)
対象作物:ニラ
発生確認の経過
平成14年3月、香美郡香北町のニラ栽培ハウスでネコブセンチュウの発生が確認されました。ネコブセンチュウは県内の果菜類、ショウガ等の作物で発生していますが、ニラでは今回が初めてです。その後、7~9月に主要なニラ産地のほ場を調査した結果、他に、南国市、窪川町、佐賀町でも発生していることがわかりました。
生態及び被害状況
ネコブセンチュウの幼虫は体長0.4mm程度の糸状で土壌中に生息しており、根の生長点付近から作物体に侵入し、根の中で成虫になります。、雌成虫は体長0.5~0.8mmのレモン形で移動はせず、体外に分泌した卵のう中に300~500個程度産卵します。一般的にネコブセンチュウ類に寄生された根は肥大化、コブ状になり、植物は生育不良を起こし、ひどい場合は枯れてしまいます。
しかし、今回確認されたニラではこのようなコブ形成は認められず、細根の表面に卵のうが見られる程度です(写真左)。また、発生ほ場では株の生育抑制があるものの、ネコブセンチュウ単独の被害によるものであるかは不明で、現在調査中です。
細根の表面に見られる卵のう
ネコブセンチュウによる発育不良株
防除対策
- 現時点では被害実態は明らかにされていないが、連作によりセンチュウ密度は上昇するものと思われ、他の土壌病害虫対策とあわせて発生が認められたほ場では湛水やサウナ処理などの対策が必要である。
なお、紅色根腐病に農薬登録のあるクロルピクリン剤、クロルピクリン・DCIP剤が本線虫にも有効である。
平成15年3月 高知県病害虫防除所作成
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