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カキ黒点病

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病害虫防除所 : 2013/07/05

病原菌:Discosphaerina sp.

発生作物:カキ全般


発生確認の経過と発生状況等

平成3年頃より土佐郡鏡村大利のカキ生産ほ場で巻葉症状(萎ちょう)、新梢脱落、落葉等の症状が発生し、その症状からカキ黒点病と推測されることから、ジネブ剤等による防除が行われていました。
平成13年6月、県中部、東部のカキ園を調査したところ全般的に同様な症状が見られため、山口県萩柑きつ試験場専門研究員唐津達彦氏に診断を依頼したところ、Discosphaerina sp.属菌(研究中)によるカキ黒点病との回答を受けました。

病徴と被害

4月下旬頃より、1部の苞葉、中間葉、成葉、新梢の枝に径0.1mm程度の大きさの黒点(柄子殻、子のう殻)が形成され、5月上旬には巻葉症状(写真左上)が発生します。
巻葉症状を示す葉には多数の黒点(分生子殻、子のう殻)の形成(写真右上、左下、右下)が認められるとともに、しばしば奇形を伴い、また、夏期にほとんど落葉します。さらに7月上旬以降、発病は罹病新梢(写真12)から周囲の健全新梢にも広がり、樹勢が低下します。
同時に花では、開花期の花弁に黒点(分生子殻、子のう殻)の形成が認められ、果実では落弁直後から果面に黒点が集合した汚斑が認められるようになり、果実の品質が低下します。


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(左:巻葉症状を見せる葉、右:葉に発生する子のう殻)


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(左:くびれた新梢茎部、右:子のう殻をつぶして出てきた子のう(顕微鏡写真))

感染と発病

病原菌は樹上で越冬し、また、病原菌の感染は発芽期~7月の長期間にわたっておこり、この時期に雨が多いと多発する傾向があります。また、管理不足や耕土が浅いなど、樹勢の弱い樹に発生が多くなります。

防除対策

一般的に栽培園で多発することあまりありませんが、発生園では炭そ病等の他病害の防除も兼ねた薬剤散布を行うとともに耕種的な防除を行います。
  1. 多発園では落花後から予防散布主体に薬剤防除を行う。カキ黒点病に登録のある薬剤はアミスター10フロロアブルのみであるが、炭そ病や落葉病に登録のあるジネブ剤、マンゼブ剤、2―10式ボルドー液も有効であると思われる。
    敷わらや有機質肥料の施用などにより樹勢の健全化につとめる。
    下枝や日陰に発病が多いので、整枝・剪定により枝のこみ過ぎを避け、また、摘果時に被害果、巻葉症状が発生した新梢を取り除く。


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平成14年3月 高知県病害虫防除所作成


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