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新しい病害虫 VOL.6 タバココナジラミバイオタイプQ

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病害虫防除所 : 2013/06/18

タバココナジラミバイオタイプQ

学名:Bemisia tabaci Q-biotype
発生作物:ナス、ピーマン・シシトウ、キュウリ、トマト等


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写真1:タバココナジラミバイオタイプQの成虫
 

発生経過

 平成16年秋頃より県中央部のナス科果菜類の施設栽培で薬剤感受性の低いコナジラミ類が多発し、依頼検定した結果、安芸市、香我美町(現香南市)、南国市の7ほ場でタバココナジラミバイオタイプQが確認されました。翌年にはこれまで問題にならなかった県北部の中山間地域等においても多発したことから、県内各地の発生状態を調べたところ、平成19年2月末までに16市町村で発生が確認され広範囲に分布していることが判明しました(図1)。本種は、海外ではスペイン、イタリア、イスラエル、中国等で発生しており、日本では、平成17年2月に宮崎県で初確認されて以来、平成19年2月末までに、西日本を中心に35都府県で発生が確認されています。

形態、生態等

 成虫は体長が約0.8~1mm、白い翅を持つ淡黄色の小さな虫(写真1)で、幼虫は黄色の長楕円形で、4齢幼虫(蛹)はやや厚い小判型です(写真2)。本種は従来から発生していたシルバーリーフコナジラミ(タバココナジラミバイオタイプB)(写真3)や日本在来系統のタバココナジラミと成幼虫ともに識別できる形態的差異がほとんどないですが、遺伝子型が異なり交雑はしないと言われています。生育温度はシルバーリーフコナジラミよりやや低めを好む傾向があります。
 寄主範囲はシルバーリーフコナジラミと同様に広く、ナス科(トマト、ナス、ピーマン、シシトウ)、ウリ科(キュウリ、メロン)、アブラナ科(キャベツ、ブロッコリー)の他、ヒルガオ科、ユリ科、シソ科、キク科、トウダイグサ科など多種の栽培作物に寄生します。なお、野外での越冬については、今のところ確認されていません。

被害状況

 他のコナジラミ類と同様、多発すると吸汁による生育阻害や、排泄物によるすす病を誘発します。ピーマンやシシトウでは多発により生長点や果実などを黄化させますが、シルバーリーフコナジラミほどの極端な果実の白化は確認されていません。また、トマト黄化葉巻ウイルス(TYLCV)の媒介は確認されており、ウリ類の黄化症の発生との関連も疑われています。


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写真2:タバココナジラミバイオタイプQの
4齢幼虫
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写真3:シルバーリーフコナジラミ
(タバココナジラミバイオタイプB)

防除対策


  1. タバココナジラミバイオタイプQは、シルバーリーフコナジラミに対して効果の高かったピリプロキシフェン剤や多くのネオニコチノイド系剤、エトフェンプロックス剤に対して感受性が低いことが報告されており、これらの薬剤による防除効果が低い場合は他の薬剤に切り替えるとともに、同一薬剤及び同タイプ剤の連用は避ける。
  2. その他についてはシルバーリーフコナジラミと同様、防虫ネットや黄色粘着資材、紫外線カットフィルムの利用等により密度低減に努める。


平成19年3月作成




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