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新しい病害虫 VOL.3 アイリス・イエロー・スポット・ウイルス(IYSV)

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病害虫防除所 : 2013/06/20

発生作物

ニラ、ネギ、トルコギキョウ

発生経過

平成15年8月に香美郡土佐山田町のニラで、葉身にえそ条斑を呈する病害が発生し、また同年10月に、香美郡野市町のトルコギキョウで葉にえそ斑点やえそ輪紋、茎にえそ条斑を呈する病害が発生しました。ともに高知県農業技術センターで電子顕微鏡観察およびRT-PCRにより同定を行った結果、Iris yellow spot virus (IYSV)による病害であることが確認されました。さらに調査の結果、香美郡を中心に50ヘクタール以上で発生が見られていることがわかりました。
なお本ウイルスのニラでの発生確認は初めてで、トルコギキョウでは西日本を中心に他県でも発生が確認されています。

病徴

ニラでは初期には葉身に長さ5mmほどの色が抜ける条斑が発生し、後にはっきりとした淡褐色のえそ条斑となります。さらに症状が進むとこれらは融合して不鮮明なえそ病斑となります。葉がねじれる場合もあります(写真5.6)。
また、トルコギキョウでは葉にはえそ輪紋、えそ斑点を生じ(写真7.8)、茎にはえそ条斑を生じますが、品種により症状が異なります。


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写真5:ニラほ場での発生状況
写真6:ニラでのえそ症状


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写真7:トルコギキョウでの症状(葉)
写真8:トルコギキョウでの症状

諸性質および伝染方法

Tospovirus属に属する、直径60?100nmの擬球状のウイルスです。国内ではトルコギキョウの他、アリストロメリア、タマネギ等での発生が確認されています。海外での報告によると汁液接種で、ダッチアイリス、リーキ等に全身感染することが確認されています。
ネギアザミウマによって媒介され、永続的に伝搬すると思われます。ミカンキイロアザミウマ等他のアザミウマによる伝搬は確認されていません。汁液伝染、土壌伝染については不明ですが、可能性は低いです。種子伝染はしません。

防除対策

本病害の発生が疑われる場合は以下の防除対策を徹底してください。

  1. 施設開口部に防虫ネットを張り、ネギアザミウマの侵入を防ぐ。
    薬剤によるネギアザミウマの防除を徹底し、また増殖源となるほ場内外の雑草の防除を行う。
    発病株は早期に抜き取り、ほ場外に持ち出すとともに、埋没等の処分を行う。
    栽培終了後は蒸し込み処理等により、施設内のネギアザミウマを死滅させる。

平成16年3月 高知県病害虫防除所作成


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