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新しい病害虫 VOL.3 メロン・イエロー・スポット・ウイルス(MYSV)

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病害虫防除所 : 2013/06/20

メロン・イエロー・スポット・ウイルス(MYSV)

発生作物

スイカ

発生経過

平成15年11月に土佐市、また同年12月に大方町のいずれもスイカの葉及び果実に病害と思われる障害が発生し、ともに高知県農業技術センターで接種試験、ELISA及びRT-PCRにより同定を行った結果、Melon yellow spot virus (MYSV)による病害であることが確認されました。
MYSVは県内のキュウリ、メロンで発生し大きな問題となっていますが、スイカでの感染確認は初めてです。

病徴

葉には不鮮明なえそや日にかざすと黄色に縁取られた小型で褐色の斑点が多数生じます(写真9)。また果実は小型化し、表面は波打ったように奇形となり、果皮の表面及び内部にえそを生じます(写真10)。


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写真9:葉の褐色斑点
写真10:果皮内部のえそ症状
 

諸性質および伝染方法

アザミウマ類によって伝搬されますが、媒介種についてはミナミキイロアザミウマ以外は不明です。土壌伝染、種子伝染はせず、接触伝染の可能性も低いです。汁液接種試験の結果ではウリ科のキュウリ、メロン、シロウリ、ナス科のタバコ、ペチュニア、マメ科のササゲなどに病原性を示しますが、寄主範囲は比較的狭いです。
これまでスイカでは汁液接種試験でも感染せず、現地でも発生は確認されていませんでしたが、感染が確認されるようになった原因については現在のところ不明です。
防除対策
  1. 発生ほ場では感染株の抜き取り・埋没処分などを行い、媒介虫であるアザミウマ類の防除を徹底する。
    アザミウマ類の防除に当たっては薬剤防除のみではなく、ハウス開口部への防虫ネットの被覆、シルバーポリマルチの利用、栽培終了時のハウスの蒸し込み処理、ほ場及び周辺の除草など耕種的、物理的な防除法を取り入れる。
    本県ではすでにキュウリ、メロンにおいてMYSVが蔓延しているので、これらの作物の栽培が多い地域では特に注意する。
    診断の際にはELISAでは葉からはウイルスが検出されない場合があるので注意する。


平成16年3月 高知県病害虫防除所作成


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