新しい病害虫 VOL.4 ミョウガ イネハダニ
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イネハダニ
学名:Oligonychus shinkajii Ehara
発生作物:ミョウガ
写真1.イネハダニによる食害
発生経過
平成16年4月、高岡郡窪川町の施設ミョウガで葉が白くかすり状になる症状が発生し(写真1.)、葉に淡黄緑色のハダニ(写真2.)が寄生していました。そこで茨城大学農学部応用動物昆虫学研究室に同定を依頼したところ、イネハダニであることが確認されました。
その後、県下のミョウガ栽培地帯を中心に発生調査を行った結果、発生は上記のハウスミョウガの約2a以外では確認されませんでした。
本種は、以前から沖縄本島や種子島、奄美大島のサトウキビでは代表的な害虫であり、本州や九州では温室内のイネやトウモロコシなどイネ科作物で周年寄生していることが確認されていますが、本県およびミョウガでの発生は初めてです。
本種は、サトウキビやトウモロコシなどのイネ科作物に主に寄主しますが、生態については十分にわかっていない部分が多く、また、被害症状も一般的なダニやアザミウマ類によるものと異なることから、減農薬でミョウガなどを栽培する場合は特に注意が必要です。
形態
成虫は体色が淡黄緑色で、体長は雌が約0.40~0.51mm、雄はやや小さく0.36mm内外です(写真2.)。第4背中後体毛間のすぐ後ろの条線は縦走しており、胴背毛は起点間の間隔より長く、第5背中後体毛のみ著しく短いのが特徴です。
被害状況
食害を受けた葉は白いかすり状になりますが、一見すると水和剤等による薬斑のように見え、ナミハダニ等による食害とは異なります(写真1.)。イネハダニの密度が上昇すると葉全体に斑点が拡大し、生育が抑制され、葉は褐変します。
このダニは、葉の裏側に群棲し、葉鞘と茎の分かれ目の隙間にも好んで潜む習性があります。
写真2.イネハダニ
防除対策
- 本種に対する農薬登録はありませんが、ミョウガのハダニ類に登録のあるコテツフロアブル、本県のミョウガでの経過措置承認農薬であるアファーム乳剤などで同時防除が可能です。
- ハウス周辺の雑草防除やハウスサイドへの寒冷紗被覆など耕種的防除もあわせて行います。
平成17年5月作成
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