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新しい病害虫 VOL.4 シルバーリーフコナジラミ

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病害虫防除所 : 2013/06/18
最近問題となっている病害虫
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写真1.シルバーリーフコナジラミの成虫
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シルバーリーフコナジラミ

発生生態および被害

 シルバーリーフコナジラミは高知県では平成元年10月に発生が確認され、当初はタバココナジラミ新系統とされていましたが、のちにタバココナジラミとは異なる新種とされました。
 成虫は体長が約0.8~1mmの白い羽をもつやや黄色の小さな虫で、幼虫は1齢以外は動かず4齢を経て成虫になります(写真1、2)。類似のオンシツコナジラミの成虫は1~1.2mmとやや大きく、羽同士が重なっており、4齢幼虫の体色や形態も若干異なるので見分けは可能です(写真3、4)。
 


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写真2.シルバーリーフコナジラミの4齢幼虫
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写真3.オンシツコナジラミ成虫


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写真4.オンシツコナジラミ4齢幼虫

 シルバーリーフコナジラミの発育日数は、卵は20℃で約12日、25~30℃で約6日、幼虫・蛹は20℃で約28日、25~30℃で17~12日、成虫は25℃で約20日です。このことからシルバーリーフコナジラミの一生は25℃で約43日となり、その間に約200個産卵するといわれます。屋外での越冬については徳島県の調査から2月に卵や幼虫、蛹が見つかっておりその可能性は否定できません。
 寄主範囲は国内では28科75種と極めて広く、トマト、ナス、キュウリ、ポインセチアなどの主に葉裏に好んで寄生します。その被害は吸汁による草勢低下や排泄物に発生するすす病による葉や果実などの汚れですが、近年、トマトの黄化葉巻病の媒介やトマトの着色異常、ピーマンなどの白果症状を誘発することから大きな問題になっています。

防除対策


  1. 成虫を捕捉するために粘着シートやテープを設置します。
  2. 増殖抑制のため、可能な作物では近紫外線カットフィルムを展張します。
  3. 侵入を阻止するため開口部へは防虫ネットを張ります。ネット目合いによる侵入率は1mmで約50%、0.6mmで約40%、0.4mmで約15%と少なくなります。
  4. 化学薬剤は低密度時からの散布に努め、抵抗性発現を回避するため異なるタイプの薬剤のローテーション散布を心がけます。また、省力的な非散布型ピリプロキシフェン剤は効果が低下している場合があるので過信は禁物です。
  5. 温湿度条件などが効果発現に影響し速効的ではありませんが、抵抗性発現の心配のないツヤコバチなどの生物農薬(写真)や糸状菌などの微生物農薬、気門封鎖など物理的作用型薬剤などを併用します。
  6. 栽培終了時には必ず蒸し込みなどを行い、本虫のハウス外への飛散を防止します。
  7. 未発生地域は苗からの持ち込みに注意します。
  8. 雑草も寄主植物となるので、定植までに余裕を持って施設周辺の除草をします。


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写真5.マミーカード 、写真6.サバクツヤコバチ


平成17年5月作成




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