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新しい病害虫 VOL.4 トウガラシ類黒枯病(仮称)

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病害虫防除所 : 2013/06/18
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トウガラシ類黒枯病(仮称)

病原菌:
Corynespora cassiicola(Berk. & Curt.)Wei

発生作物:ピーマン、シシトウガラシ
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写真1.初期病斑

発生経過
 

 平成16年1月、高知県土佐市の施設栽培ピーマン、シシトウガラシに斑点性及び枝枯性の障害が発生し、高知県農業技術センターで接種試験及び病原菌の性状調査を行った結果、Corynespora cassiicolaによる新しい病害であることが明らかになりました。
 その後の調査により、香美郡土佐山田町の施設栽培や土佐町、本山町をはじめとする嶺北地域、高岡郡大野見村などの雨よけ栽培で発生が確認されています。
 

病徴
 

 葉では初め褐色小斑点が形成(写真1)され、次第に拡大し不定形で黒褐色輪紋状の病斑(写真2)となることが多く、斑点病、葉枯細菌病に似ています。茎では黒褐色の斑点が形成され、しばしば黒色ビロード状の菌叢(写真3)が認められ、果実や果梗にも黒褐色の斑点(写真4)を生じることがあります。
 

病原菌の形態・性質および伝染方法
 

 糸状菌の一種で不完全菌類に属します。分生子は長い棍棒状で分生子柄の先端から単生もしくは連生し、大きさは平均197.1×10.3μmで平均12.5個の横偽隔壁が認められます。菌の生育適温は28℃付近です。
  本菌によるピーマン、シシトウガラシの病害はこれまでわが国では未報告で、伝染方法はナス黒枯病と同様で、被害茎葉上に形成される分生子により伝染し、高温、多湿条件で多発生するものと思われますが、詳細については現在調査中です。
 


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写真2.黒褐色輪紋状の病斑


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写真3.黒色ビロード状の菌叢


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写真4.黒褐色の斑点

防除対策

  • ほ場内が多湿条件にならないよう、排水を良好にするとともに敷きわら、マルチなどを行い、伝染源となる被害茎葉や果実はほ場外に持ち出し、適切に処理します。
  • 本病に対する登録農薬はありませんが、ピーマンでは作物登録のあるTPN水和剤とイプロジオン水和剤、シシトウガラシでは本県の経過措置承認農薬であるイプロジオン水和剤の防除効果が期待できます。


平成17年5月作成




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