7.野菜で使う場合のポイント
>> ホーム >> 7.野菜で使う場合のポイント
安芸農業振興センター 農業改良普及課・室戸支所 : 2012/10/29
(1)効 用
- 連用することで堆肥中の肥料成分が放出され、施肥量の低減につながる。
土壌の物理性や化学性が改善され、作物の健全な生育につながる。
(2)注意点
- 未熟堆肥の利用は、窒素飢餓や有害物質の発生による生育障害を招くので、完熟堆肥を利用する。
また生育障害を回避するため、堆肥の投入は作付1ヶ月以上前までに済ませる。
作物の栄養吸収特性に合った堆肥を選ぶ(表1)。
露地栽培では、降雨による窒素の溶脱量が多いと窒素飢餓が発生するので、葉色等を見て、適宜追肥を行なう。
家畜ふん堆肥は、バーク堆肥等に比べ塩類を多く含む。塩類の過剰集積は根に障害をもたらすので、
塩類が集積しやすい施設栽培では、堆肥施用後に必ず湛水・除塩する(写真1、2)。
連用することで家畜ふん堆肥の肥効率が上がるので、元肥を施用する前に堆肥から得られる肥料成分量を
計算するか、または土壌分析の結果をもとに施肥量を調節する。
表1 作物の栄養吸収特性による家畜ふん堆肥の選び方
作物の栄養吸収特性 | 具体例 | 利用に適した堆肥 | |
尻上がり型 | 初期ゆっくり育ち、根や果実の肥大期から収穫期までに養分を必要とする。 | ダイコン、ニンジン、スイカ 、カボチャ等 |
高C/N比 (牛ふん堆肥) |
コンスタント型 | 一般に生育期間が長く、生育全期間にわたって養分を必要とする。 | トマト、キュウリ、ナス、ネギ等 |
中C/N比 (豚ぷん堆肥) |
先行逃げ切り型 | 一般に生育期間が短く、生育初期から養分を必要とする。 | ホウレンソウ、レタス、ジャガイモ等 |
低C/N比 (鶏ふん堆肥) |



写真1.堆肥を投入し耕うんする
写真2.堆肥投入後は湛水し除塩する
ツイート