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グリーンフォーカス 令和8年1月号

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幡多農業振興センター 農業改良普及課 : 2026/01/01

黒潮町農業公社が核となった広域連携組織によるドローン防除の取組

  • 地域の現状

 黒潮町は温暖な気象条件を生かして、施設野菜や花卉、果樹、水稲が栽培されています。2020農林業センサスでは、経営耕地のある経営体数346戸、経営耕地総面積は415haとなっています。
 黒潮町では、基幹品目である施設キュウリが高齢化と後継者不足により栽培面積が減少しており、産地の維持が困難な状況となっていました。そこで、施設キュウリの担い手確保・育成を目的として、平成25年4月1日に「一般社団法人 黒潮町農業公社」(以下 公社)を設立しました。同年に県事業を活用して15a×2棟の研修用ハウスを整備し、同年9月から2名の研修生が研修を開始しました。(図1)
 また、公社でトラクターや管理機などを整備し、研修終了後の新規就農者への貸し出しなど、共同利用の取組を進めていました。
 公社設立後10年間で12名が新規就農し、キュウリの産地維持に大きく貢献している中で、町内全体を見ると、集落営農組織や中山間地域等直接支払協定などの活動によって、農地の維持と耕作を継続していましたが、高齢化などにより集落内における水稲作業等の労働力不足が顕在化していました。
 そこで、黒潮町、公社、JA、農業改良普及課で協議した結果、公社を核とする組織間連携の仕組みづくりとドローンによる水稲の共同防除実施の体制整備に取り組むこととなり、農業改良普及課は、全体のコーディネートを行うなど、体制づくりと取組を支援しました。



公社研修用ハウス


一般社団法人 黒潮町農業公社の概要

  • 活動内容

(1)地域への説明会(平成30年度~令和元年度)
 中山間地域等直接支払制度の集落協定広域化への取組に向けて、関係機関が連携して黒潮町大方地区16集落の集落協定への説明会を開催し、各集落協定の事務負担の軽減対策や農業用ドローンの情報提供と共同防除の提案、農薬散布の実演等を計画的に実施しました。
 また、各集落協定における集落協定広域化の締結の可否について確認しました。

(2)広域連携組織の設立支援(令和元年度~2年度)
 集落協定や集落営農組織への説明会や意見交換を経て、集落協定広域化及び事務委託先となる公社を含め、組織体制について検討を行いました。併せて、ドローン導入と水稲の共同防除にかかる仕組みづくりとオペレーター確保に向けた協議を行いました。

(3)ドローンによる共同防除の実施(令和2年度~)
 ドローン防除の実施に当たっては、県事業を活用したドローンの導入支援を行うと共に、各種登録や報告事務手続き及びドローンの安全使用についての情報提供と啓発活動を行いました。また、実際の防除に当たっては、病害虫の発生状況や防除時期、農薬の選定などの助言を行いました。


  • 活動の成果

(1)広域連携組織の設立(図2)
 令和2年度に公社を事務局として、3地区の集落協定が参加して「大方中山間広域協定」(以下広域協定)を立ち上げ、併せて、集落営農組織(法人1・任意1)、広域協定が参加した「大方地域組織間連携協議会」が設立され、令和5年度には新たに1集落協定が加わり、4地区での広域協定を締結しました。また、令和2年度に県事業を活用してドローン1台を導入し、ドローンによる防除を開始し、防除面積の増加に合わせて令和3年度にドローンを1台追加しました。



大方地域の組織間連携の体制図

(2)ドローンによる共同防除の実施(図3)
 ドローンによる共同防除を実施するため、当初、広域協定や集落営農組織で交付金等を活用してオペレーターを7名育成し、令和4年度以降も公社の卒業生を中心に新たに6名のオペレーターを育成しています。また、地域の葉たばこ農家も取組に参画し、たばこ後作水稲でもドローン防除が始まっています。
 ドローン防除面積は令和6年度で延べ90haを超えており、防除労力の大幅な軽減を実現し、地域にとってなくてはならない活動になっています。(表1)



ドローン防除の活動体制


ドローン防除面積

(3)地域や生産者からの評価
 公社が核となり中山間地域等直接支払制度の広域協定締結と併せて、ドローンによる共同防除を実施する体制を構築できたことで、重労働であった水稲栽培での薬剤防除労力が大幅に軽減され、地元生産者からは高い評価を受けています。
 また、公社卒業生の施設キュウリの若手生産者4名が、農閑期にドローン防除のオペレーターを行うなど、公社、公社卒業生、地域による新たな仕組みの中で農地保全ができています。 



防除作業

  • 今後の展開

 広域連携の取組は始まったばかりです。今後は、ドローン以外の新たな共同利用機械の導入を検討していきます。また、ドローン防除を継続していくためのドローンの維持・更新にかかる経費の確保が必要となっており、今後も関係機関が連携して広域連携組織の活動発展を支援していきます。




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