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コナカイガラムシ類

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病害虫防除所 : 2013/06/20

和名:ミカンコナカイガラムシなど

発生作物:ピーマン、シシトウ、ナス、ミョウガ(全て施設栽培)


発生経過

従来から、施設栽培の果菜類等にコナカイガラムシ類が発生することは知られていましたが、平成11年頃より県東部の天敵類を導入しているハウスでコナカイガラムシ類の発生が多くなってきました。現在、安芸市、芸西村、須崎市等で発生が見られ、
ミカンコナカイガラムシなど数種のコナカイガラムシ類が確認されていますが、種名や分布については調査中です。

天敵類の導入や減農薬栽培の増加にともなって、カイガラムシ類に防除効果のある有機リン剤等の使用が減り、また、防除回数自体も少なくなっているため、従来はアブラムシ等、通常の害虫防除により発生が抑えられていたコナカイガラムシ類の発生が増加してきたようです。

形態

コナカイガラムシの雌成虫は長さ数ミリ程度の楕円形(わらじ型)で裏返すと足が見えます。幼虫は雌と同じ形ですが、雄成虫はは翅があります。虫体や卵嚢は白色粉状のロウ物質で覆われています。
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ナスに発生したコナカイガラムシの一種

生態

カイガラムシの雄は完全変態を行い、幼虫、蛹を経て有翅の成虫となりますが、雌は蛹の時代がなく終齢幼虫から無翅の成虫となり産卵します。
ミカンコナカイガラムシは野外で年7~8回発生を繰り返すことが知られていますが、施設野菜での発生消長についてはよくわかっていません。

被害

植物体から汁液を吸収するため、寄主植物を衰弱、枯死させます。また、綿状の分泌物を付着させ、さらに、排泄物にスス病が誘発されるため、美観を損ね、ススが光合成を阻害して生育不良を起こさすなど2次的な被害も大きくなります。

防除対策

コナカイガラムシ類はロウ物質に覆われて、保護されているため殺虫剤が効きにくくなっています。
また、新害虫であるため、現在、果菜類のコナカイガラムシに対する登録薬剤はありませんので、他害虫との同時防除で対応してください。
  1. 局所的に発生することが多いので、天敵導入ハウスなどではスポット散布を行う。
    低密度時にふ化幼虫の発生時期をねらって、被覆物質が完成する前に防除を行う
    防虫ネット(寒冷紗)被覆など他の害虫同様の侵入防止を行う。


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平成14年3月 高知県病害虫防除所作成


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