平成１０年度病害虫発生予察警報第２号

平成１０年８月２１日
高知県病害虫防除所

病害虫名　トビイロウンカ

１．発生地域　県内全域（普通期稲、跡作稲）

２．発生時期　８月下旬以降

３．発生面積　多

４．警報発令の根拠

1. ６月から７月にかけて県西部を中心に予察灯への誘殺が断続的に見られた。
2. ７月下旬の発生面積率が高く、多発生が予想されたため注意報（８月５日付）を発令したが、８月４半旬の調査でも発生ほ場率はかなり高くなっている（第１表）。また、１０株当たりの平均寄生密度は県東部で２３頭、県中央部で５２頭、県中西部で１６頭、県西部で１１７頭と県中央部、県西部で特に高い（第２表）。無防除田や防除不徹底なほ場を中心に成幼虫数が１０株当たり５０頭を越えたほ場が多く見られ、これらのほ場では坪枯れの被害が予想される。すでに一部のほ場では坪枯れが見られており、平年に比べ発生時期が著しく早い。
3. 気象予報によると８月下旬は高温多照が続き、９月は気温が高く、降水量が平年並と予想されており、さらに密度が高まるものと予想される。

５．防除対策

1. すでに要防除密度（１０株当たり５０頭）に達しているほ場では早急に防除を行う。
2. 薬剤防除に当たっては、県の病害虫防除指針に準じて行う。なお、薬剤の選定、散布に当たっては使用基準を厳守し、とくに収穫前使用時期に注意する。
3. 本虫は株元に集中して寄生しているので、薬剤が株元に十分に到達するように散布する。
4. 出穂期前後のほ場が多いため吸穂性カメムシや穂いもちの同時防除に努める。

第１表　巡回調査による発生ほ場率（％）

時期	県東部	県中央部	県中西部	県西部
７月下旬	4.8(21)	57.8(45)	7.0(57)	100.0(16)
８月中旬	47.6(21)	75.6(33)	88.9(36)	87.5( 8)

注：（　）内は調査ほ場数

第２表　巡回調査による寄生密度（１０株当たりの成幼虫数）

時期	県東部	県中央部	県中西部	県西部
７月下旬	0.02	1.7	0.09	11.1
８月中旬	23	52	16	117