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グリーンフォーカス 平成29年2月号

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病害虫防除所 : 2017/02/02

高知県への侵入を警戒する害虫

 タバココナジラミバイオタイプQ、チャノキイロアザミウマC系統など、これまで未発生であった、病害虫が侵入、蔓延すると甚大な農作物被害を及ぼすおそれがあり、これら病害虫の被害を最小限に防ぐには、早期発見、早期防除が必要となります。今回は、高知県での発生は確認されていませんが、近年、近隣県での発生が確認され問題となっている2種類の害虫についてお知らせします。

  • ビワキジラミ

<害虫名>ビワキジラミ
<寄主植物>ビワ
<発生状況>平成24年5月に徳島県のビワへの寄生が初めて確認されて以来、徐々に分布域は拡大しています。平成28年には香川県(徳島県との県境付近)でも発生が確認されました。
<形態>成虫はセミに似ていますが、体長は2~3mm程度と小さく、体色は淡い黄褐色で白色の縞が目立ちます(写真1)。
幼虫は扁平で体色は淡い黄褐色~黄緑色、腹部の一部、翅が褐色です(写真2)。
<生態>年に数世代発生しますが、年間世代数は不明です。ビワの樹上では9月から翌年の6月まで発生がみられます。
<被害>
果実や果梗、新鞘などに寄生した幼虫の排泄物にすす病を発生させます。(写真3、4)。
<防除対策>
葉裏に寄生した成虫や、すす病の発生を目印として早期発見・防除に努めてください。本虫に対する登録剤はスカウトフロアブル(2,000倍、収穫3日前まで、3回以内)、スタークル/アルバリン顆粒水溶剤(2,000倍、収穫前日まで、2回以内)がありますが、袋かけ後では効果が劣るので、袋かけ前の防除に努めてください。


写真1 ビワの葉裏に寄生した成虫(徳島県提供)

写真1 ビワの葉裏に寄生したビワキジラミ成虫(徳島県提供)


写真2 花芽の基部に寄生した幼虫(徳島県提供)

写真2 花芽の基部に寄生したビワキジラミ幼虫(徳島県提供)


写真3 袋内に寄生したビワキジラミ(徳島県提供)

写真3 袋内の果実に寄生したビワキジラミ(徳島県提供)


写真4 すす病による果実被害(徳島県提供)

写真4 すす病による果実被害(徳島県提供)

  • クビアカツヤカミキリ

<害虫名>クビアカツヤカミキリ
<寄主植物>サクラ、モモ、ウメ、スモモなど
<発生状況>本種は中国、モンゴル、朝鮮半島、ベトナムなどに分布し、中国ではモモ、スモモ等の重要害虫とされています。国内では平成24年7月に愛知県のサクラ、ウメへの寄生が確認されて以来、埼玉県、群馬県、東京都、大阪府、徳島県で発生が確認されています。
<形態>成虫の体長は3~4cm程度で頭部、腹部は光沢のある黒色ですが、胸部の大部分は明るい赤色です(写真5)。
<生態>成虫は6月下旬~8月上旬に発生し、7月下旬から幹や樹皮の割れ目に産卵します。幼虫は4月になると摂食を開始し、摂食活動は5~6月に最も盛んになります。
<被害>寄生した幼虫が内部を食い荒らし、枯死させます(写真6)。また、樹木外側へ大量のフラス(幼虫の排泄物と木くず)を排出します(写真7)。
<防除対策>成虫の発生を確認した場合は捕殺するとともに、幼虫の食入孔を見つけた場合には針金で刺殺してください。また、シュロ繊維やネットを樹幹地際部に巻き付け産卵防止に努めてください。なお、ネットには成虫捕殺効果もあります。


写真5 クビアカツヤカミキリ成虫(徳島県提供)

写真5 クビアカツヤカミキリ成虫(徳島県提供)


写真6 幼虫の食害により枯死した株(徳島県提供)

写真6 クビアカツヤカミキリ幼虫の食害により枯死した株(徳島県提供)


写真7 幼虫により排出されたフラス(徳島県提供)

写真7 幼虫の食害により排出された大量のフラス(徳島県提供)




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