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グリーンフォーカス 平成31年3月号

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農業大学校 : 2019/03/01

グローバルGAP認証取得への取り組み

 農業大学校では、農業のグローバル化を見据え、学生が食の安全、環境保全、農作業安全の世界標準となっているリスク管理を学ぶため、教育の一環としてGLOBAL G.A.P.認証に挑戦することとしました。専門のコンサルタントの指導を受け、学生が実際に施設やほ場などのリスクを評価し、必要な管理項目に沿った実践に取り組みました。その結果、昨年11月にトマトでのGLOBAL G.A.P.認証を取得しました。

 この取り組みにより、学生が世界に通用する農業の担い手に成長してほしいと期待しています。また、次年度以降も継続的な認証取得により、より良い生産工程管理の実践を継続していきます。認証までの道のりは、1年を越える長きに渡るチャレンジでした。
 去る1月23日には、2年生のプロジェクト発表会に先立ち、GAP推進メンバーによる認証取得報告会を行いました。以下、その内容をご紹介します。




 本校では、一昨年の8月から昨年の11月の審査を受けるまで、グローバルGAP認証取得に向け、県内外への視察や学習に取り組んできました。昨年の3月末日に高軒高のハウスが完成したのをきっかけに、トマトでのグローバルGAP取得を目指しました。当初、グローバルGAPは聞いたことがありましたが、詳しい内容までは分からず、まず何から始めれば良いか、そもそもどういう事をしなくてはならないのか、そういった知識がまったくなかった私たちは、コンサルタントの方を迎え、講義を受け、少しずつ理解を深めていきました。


 講義を受けて、必要な記録をしたり、メンバー内でほ場や調製室で起こりうるリスクを考え、そこから何をするべきかを決めて作業を行ってきました。例えば、農業機械のエンジン始動の仕方、片付け方、始動前にやるべきこと、確認すべきことなどいろいろありますが、学生全員がそれを把握はしていませんでした。そのため、初めて使う学生が事故を起こすかもしれない、このリスクを低減させるための手順書を作成し、農機具庫の見やすいところに掲示しました。
 このように評価表の作成→手順書の作成→実践の形で取り組み、ほ場内の整理整頓もやってきました。


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 これまで講義や評価表の作成などを通し、分かってきたことがあります。作物の出荷は出荷調製室で行い、飛散防止蛍光灯に交換する必要があります。何かのはずみで蛍光灯が飛散して出荷物に紛れると大変です。誤って入らないよう蛍光灯すべてに飛散防止カバーを取り付ける必要があります。また、農薬庫については、こぼれた時に広がりやすい液剤は農薬庫の下段に置くなど、今まで大丈夫だろうと考えていたことが、グローバルGAPの視点から見るとそれぞれに課題があり、リスクの軽減を図る対応が求められていたことに気づきました。これらのことから、GAPの取り組みの重要性を改めて理解することが出来ました。GAP推進メンバーを集めての評価表作成及びGAP勉強会は、基本的に放課後に週1回のペースで行い、このような点検を繰り返しながら、作業体系やIPMなどの専門的なリスク評価もまとめていき、最終的には審査が行えるように資料を作り上げてきました。


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 今年の11月1日と2日の2日間、本校で公開審査会が行われ、審査員の方からは、「収穫したトマトはすべてその日のうちに出荷するのか」、「ロット番号を付け、どこのハウスから収穫したトマトなのか遡れるのか」などの質問を受けました。練習のおかげできちんと対応はできましたが、「マスバランスはとれているか(収穫・選果で入ってきた数と出荷で出た数が同じかどうか)」という問いに対しては、十分に答えられなかったことを記憶しています。ほ場に降りての現場確認審査では、書類審査と比べてより実践的なことを聞かれ、すべて回答することが出来ました。


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 そして、昨年11月19日付で認証を取得することができました。グローバルGAPの認証を取得するためには、事前準備や資料作成など、時間と根気のいる作業が必要でした。しかし、私たちが取得に取り組み始めてから、学校の雰囲気も学生の意識も少し変わってきた感じがします。作業の際に必要な物がどこにあるか分かりやすくなったり、自分から清潔にしようと行動したりと良い方に変わってきました。このことから、グローバルGAPに取り組んで、良かったと思えます。これからも作業環境や衛生手順を見直しながら、さらなる改善に取り組んでいきたいです。
(文:GLOBAL G.A.P.推進メンバー)


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