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グリーンフォーカス 平成30年7月

中央西農業振興センター 農業改良普及課 : 2018/07/01

環境制御技術導入による施設園芸産地の強化


地域の現状(背景)

 高知県では、オランダとの交流を契機に環境制御技術の開発と現地試験に取り組んでおり、当センター管内のピーマン、キュウリ、メロン等でも有効性が確認され、環境制御技術に取り組む生産者が増加しつつあります。
 しかし、高齢化や担い手の減少等による生産量・販売額の減少や販売価格の低迷、生産資材の高騰による農家所得の減少が問題となっています。
 そこで、収量・品質の向上を目指した環境制御技術を生産現場にさらに普及させるため、推進体制の整備、現地実証を進め、技術の確立及び普及・定着を図りました。


活動内容

環境制御技術普及推進体制の整備

(1)チーム員及び関係機関との連携
 農業振興センター普及課内及び高知、高吾普及所チーム員を併せた合同PT会の開催によるチーム員の情報共有、意識統一を行うとともに、各市町村、JAとの連絡会等で情報提供や協議等を行い連携を図りました。

(2)中央西地区環境制御技術普及推進会議の開催
 実証担当農家、JA営農指導員、農業振興センター普及課・普及所職員、専門技術員、試験研究機関職員等で構成した環境制御普及推進会議を年2回開催し、品目毎の課題解決や環境制御技術の推進に向けた方策を協議しました。

環境制御技術研究会等の活動支援

 環境制御技術を勉強し、実践する研究会設立を支援しました。また生産者をはじめ、JA営農指導員、普及指導員対象に勉強会を開催しました。実証ほにおける試験結果を中心とした成果発表会及び植物生理や環境制御の基礎に関する講演会等を広く管内全体に呼び掛けて開催しました。各品目部会では従来の現地検討会等において、環境制御技術に関する試験結果の報告や情報提供を行いました。


現地検討会で環境測定装置モニターに興味津々の生産者

写真 現地検討会で環境測定装置モニターに興味津々の生産者


各種施策の推進及び取り組み支援

 関係機関と連携し、環境制御に係る補助事業(環境制御技術普及促進事業)により環境制御機器の導入を推進するため、事業説明会や機器の説明会を開催しました。

ハウス内環境の見える化の推進と環境制御技術に適した栽培技術の確立

(1)実証ほ等を活用したデータの収集・分析
 実証ほや環境制御機器を導入したハウスの環境データの測定・収集と植物体調査を行い、ハウス内の炭酸ガス濃度や温湿度の推移と植物体の決まった箇所を経時的に測定することにより、植物の状態を数値化して把握できる指標として有効であるか検証しています。

(2)環境測定機器未導入農家への意識啓発
 ハウス内の炭酸ガス濃度や温度推移の把握の重要性を認識してもらうため、炭酸ガス濃度センサーや温湿度センサーを設置してデータを収集し、結果を生産者と共有し、適正なハウス内環境の助言を行っています。
(3)環境制御技術に適した栽培マニュアルの作成
 炭酸ガス施用の地域版事例集を作成しました。


生育調査の様子

写真 生育調査の様子


地域の動きや活動の成果(公開)

環境制御技術普及推進体制の整備

 推進会議では、炭酸ガス施用に関する品目毎の現状や課題について関係機関で共有しました。また連絡会等での協議・情報共有により、講演会・勉強会の開催、補助事業の推進をスムーズに行うことができました。

環境制御技術研究会等の活動支援

 研究会で講師を招いて勉強会を行ったり、先進事例の視察研修を行う等、自主的な活動がなされています。また各品目部会の中で環境制御機器を導入した農家が集まって、勉強会を開くなど、積極的な活動が各地で行われ始めました。

各種施策の推進及び取り組み支援

 市町村への働きかけにより、環境制御技術普及促進事業の上乗せ補助が実施され、生産者負担が1/3となりました。また細霧装置や日射比例制御かん水装置など事業メニューの拡大も伴い環境制御機器の導入が増加し、事業による炭酸ガス発生機の導入は地区全体で合計108戸、27.9haとなりました。


グラフ

図 中央西農業振興センター管内の炭酸ガス発生機導入面積の推移(平成26〜29年)


ハウス内環境の見える化の推進と環境制御技術に適した栽培技術の確立

 実証ほにおける環境制御技術導入農家の収量は、キュウリでは年々増加し21.0t/10a(平成26園芸年度)から26.6t(平成28園芸年度)に増加しました。その他の品目についても概ね増加しており、効果が認められています。
 作成した事例集や実証ほ等における収量や経営評価の提示により、環境制御技術の普及推進に活用しました。


表 環境制御技術導入農家の10a当たり平均収量(実績)


表

 以上のような勉強会や講演会、現地検討会等での情報提供により、生産者だけでなく普及指導員、営農指導員の知識や意識が高まり、植物生理や光合成を重視したハウス内環境を検討する生産者が増えてきています。


今後の展開

 収量・品質の向上を目指した環境制技術を生産現場に今後更に普及させるために、下記の課題に取り組む必要があります。

1.関係機関との連携を更に強化し、勉強会等による基礎知識や指導力の向上を図るとともに、互いが技術を高めあえる仕組み作りが必要です。
2.環境制御技術への関心を高めるよう引き続き各部会の現地検討会や講習会において実証結果の情報提供を行うとともに、講演会や広報等を通じて幅広く意識啓発していきます。
3.高収量農家の生育調査データと環境データとの関係を分析し、高収量が狙える品目毎の理想となるノウハウを探索します。
4.機器導入農家へのきめ細かい指導を実施し、増収を図ります。




高知家