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グリーンフォーカス 平成26年10月号

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中央西農業振興センター 農業改良普及課 : 2014/10/01

集落営農で地域の農業をまもります“集落営農の推進”

  • 背景、取り組みのきっかけ

 管内では農業就業人口の減少や高齢化、耕地面積の減少が進み、野生鳥獣による被害は農作物だけでなく農業基盤にも及んでおり、農業経営のコスト高と相まって、今や個々のがんばりだけでは地域の農業や集落の維持・発展は困難になっています。そこで農業振興センターは、地域の農業者が共同で農地や農村の維持を目指す集落営農を推進しています。
 当管内では、(1)集落営農の理解を広げ集落営農の設立を支援するとともに、設立後の活動支援を行う「集落営農組織の設立と取り組みの推進」(2)集落営農組織間連携のシステムを作り、活動を強化する「集落営農組織のネットワーク化」(3)「関係機関の連携体制の強化」の3本の柱で取り組んでいます。


65歳以上人口の割合 農業就業人口(土佐市) 農業就業人口(いの町)
  • 活動内容

1)集落営農の設立と取り組みの推進

(1)土佐市岩戸地区
 岩戸地区は、土佐市の平坦地域に位置し基盤整備が完了しており、多面的機能支払の活動や特別栽培米“岩戸米”のブランド化に取り組んでいる地域です。平成23年度から関係機関と連携して集落営農の導入に向けた支援を行い、先進地視察研修や地区検討会等の学習を重ねるなかで、「ブランド米の販売や稲作コスト低減」、「将来まで安心して農業ができる仕組みづくり」等集落営農組織で取り組むテーマが明らかになってきました。地域ビジョンも策定されており、現在、地域の条件に合った集落営農組織の設立に向けた支援を行っています。

(2)いの町成山地区「七色の里営農組合」
 成山地区は、いの町伊野地区の中山間地域に位置し、中山間地域等直接支払の活動に取り組んでいる地域です。平成25年度の直接支払の総会で集落営農の啓発をはじめとして、関係機関と連携しアンケート調査や地区座談会を重ね地域の農業の課題と方向性を検討しました。同年11月に設立し、地域と農業生産の維持に向け「耕作放棄地の解消」、「地域で“アラキモチ”と呼ばれる香り餅米を活用した交流活動」、「鳥獣害対策」等をテーマに活動しています。

(3)いの町大野内地区「大野内営農組合」
 大野内地区は、吾北地区に位置し、65歳以上の割合が約40%と高齢化は比較的緩やかな地区です。しかし今後の地域の農業や農地の維持のため集落営農の必要性について関係機関と連携して啓発を行いました。平成24年度から地区リーダーを中心に地区座談会やアンケート調査を実施し、経営コスト低減等の検討や先進地視察による組織化への意欲向上を図りました。26年3月に営農組合が設立され、中山間地域等直接支払地区協定と一体的に「機械の共同利用による農業生産の低コスト化」、「耕作放棄地の解消等による農地の保全」、「鳥獣害対策」等の活動を行うための支援を行っています。


岩戸視察 アラキモチ検討会 大野内視察

2)集落営農のネットワーク化と営農の定着〈対象地区における活動概要〉

(1)いの町吾北地区「上東地区営農組合」
 上東地区営農組合はこうち型集落営農組織として、農作業受委託部門、協業部門、有望品目研究部門等の部門活動に取り組んでいます。農業振興センターは組合員の参画促進や農作業受委託、機械レンタル等の利用率向上に向けた支援を行っており、特に重要な課題である利用率向上に向けて、水稲共同防除やレンタル規則の見直し等を提案しました。有望品目研究部門では女性のリーダーを中心に野菜づくりや試食会に取り組み、組織活動の活性化を目指しています。

(2)組織連携による地域営農の機能強化
 吾北地区では7集落営農組織がそれぞれ機械の共同利用、作業受委託等に取り組んでいますが、組織の規模が小さくコスト低減のメリットが充分に発揮できない、また、機械の能力が充分に発揮できていない等の問題が生じています。そこで、集落営農組織の会合や、吾北地区の組織が一同に会した検討会等において、組織間で連携し機械やオペレーターの労力を調整し、効果的な組織運営を行うことの重要性を啓発しました。

3)関係機関の連携体制の強化
 集落営農組織の設立や取り組みの強化に向け、行政、JA、農業振興センターが情報を共有しチーム体制で取り組んでいます。
 また、ネットワーク化の支援では、いの町吾北地区における既存の集落営農組織間の連携強化を促す等取り組みを行いました。


上東総会 組織間連携呼びかけ
  • 取組結果

・岩戸地区では地区にあった集落営農を具体的に検討するようになりました。
・いの町では、七色の里営農組合の設立を機に平坦地域でも関心が高まり、集落営農による農業の維持発展について検討するなど、広がりを見せています。
・七色の里営農組合では、耕作放棄地解消事業を導入し、町の特産であるショウガ栽培に取り組むようになりました。
 また、アラキモチを活用した交流活動や野菜の試作、耕作放棄地解消等の活動に取り組む中で、全組合員が営農組合の活動に積極的に参画し、地域の農業の維持についての意識が高まりました。
・大野内営農組合では、将来的な地域営農のあり方について具体的に検討するようになりました。
・吾北地区の組織間連携については振興センターだけでなく上東地区営農組合のリーダーからも、他地区へ連携を呼びかける等地域への広がりがみられました。

  • 今後の取り組み

・地域の農地や農業生産を維持・発展させるために集落営農の必要性を啓発し、新たな集落営農組織の設立を支援します。
・集落営農組織の活動が活性化できるよう支援します。
・中山間地域における集落営農組織間の連携による地域の農業の維持発展を支援します。




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