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研究紹介(品質管理)

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高知県農業技術センター : 2021/06/11

輸出用切り花の品質向上に向けて(2018~2019)

 高知県では、花きの輸出を推進しており、なかでもグロリオサ、ダリア、トルコギキョウは品質面で高評価を得ています。しかし、輸送コストが高いことや輸送中に花弁が傷む場合があること、品種によっては鑑賞期間が短いことなどが問題となっています。そこで、品質管理担当では切り前の前進化(つぼみでの収穫)や収穫後の給液剤の利用により、品質を向上させることを検討しました。オランダへの輸出試験では、ほぼ良好な結果が得られました。


輸出用切り花写真close

近赤外線照射による農産物の鮮度保持(2017~2019)

 収穫後の農産物に近赤外線を照射することで鮮度が保持されるという新しい技術が株式会社四国総合研究所によって開発されました。近赤外線を照射することによって、収穫後に発生する市場病害の発生やしおれを抑制する効果が期待されます。品質管理担当では、株式会社四国総合研究所との共同研究で、高知県産の農産物への効果を検討しました。照射試験の結果、シシトウやミョウガの市場病害の抑制、ナス・米ナスの腐敗抑制などの効果があることが明らかとなりました。


高知県産農産物の機能性成分の特性評価(2014~2018)

 本県主要野菜である、ナスやピーマン、ニラ、トマト、ショウガ、ミョウガなど計14品目についての栄養成分、機能性および抗酸化能を調査しました。
 収穫時期や作型、栽培法により特性が異なることやショウガでは貯蔵中に成分含量が変化することなどが明らかになりました。本研究で得られた結果を販売促進活動に利用して、本県農産物の消費拡大に貢献していきたいと考えています。


 鮮度保持包装の対応品目拡大(2016~2018)

 新たな有望品目として葉ニンニクやカイランサイ、水耕セリなどが注目されています。しかし、これら葉菜類は鮮度の低下が著しく、輸送中に黄化や腐敗などの発生が懸念されていました。そこで、それぞれの品目に応じた鮮度保持包装を開発して、鮮度の低下を防ぐ技術を実用化しました。


ナバナ・茎ブロッコリーの鮮度保持包装技術および新たな出荷規格の開発(2012~2014)

 ナバナは中山間地域の重要作物として栽培され、200gに調整した束を発泡スチロール容器に入れて出荷していますが、春先には黄化や腐敗の発生が問題となっています。そこで、パーシャル大袋包装により春先の鮮度低下を抑える包装技術を実用化しました。
 一方、200gに調整した束は、家庭用としては量が多すぎるうえ、調整作業が煩雑で、高齢化による出荷量の減少が懸念されています。そこで、小袋包装による鮮度保持技術(パーシャル小袋包装)を確立するとともに、営農システム担当と共同で、荷姿や使いやすい内容量等、新たな出荷規格(150g、バラ包装)を開発しました。
 また、本県では茎ブロッコリーの栽培面積が拡大していますが、小袋包装では高温期の鮮度低下が懸念されます。そこで、パーシャル小袋包装による鮮度保持包装技術を実用化しました。


ダリアの11~3月出し栽培における鮮度保持技術の開発(2011~2013)


ダリア

 近年ダリアは栽培面積が増加していますが、一般消費者向けには更に花持ちを良くする必要があります。
 そこで、前処理剤や輸送中の給水方法といった鮮度保持技術の開発に取り組み、スクロース等を用いた鮮度保持技術を開発しました。


カラーピーマンの光照射追熟を利用した増収栽培技術の確立(2011~2013)


パプリカ光照射

 カラーピーマン(3色ピーマン・パプリカ)は市場評価も高く、今後も消費の拡大が見込める品目ですが、品種特性が十分把握されておらず、高品質安定生産技術が確立されていないのが現状です。
 一方、最近 早期に収穫したパプリカに光を照射すると追熟を促進し、完熟させることができることが明らかとなりました。この技術を利用してカラーピーマンの早どり栽培が可能となれば、着果負担の軽減や障害果の抑制、栽培終了時に廃棄している未着色果の可販化などにより増収効果が期待できます。そこで、カラーピーマンの効果的な光照射追熟技術およびそれを利用した早どり増収技術の確立に、山間試験室(平成27年3月廃止)、施設野菜担当(現・先端生産システム担当)と共同で取り組みました。
  
※農林水産省「新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業委託事業」


 オクラの鮮度保持小袋包装法の検討(2012~2016)


オクラ

 オクラは高知県の主要品目の一つですが、輸送中の果実黒斑病の発生や果実の萎凋が問題となっています。
 これまでに大袋または小袋包装により果実黒斑病の発生が抑制されることは分かっていますが、袋間のガス濃度のバラツキが大きく、呼吸障害が発生する場合もありました。
 そこで、オクラの呼吸特性を考慮した包装のタイミングや包装後の温度管理等によって、袋内ガス濃度の安定性を確認するとともに、包装に適するフィルムの探索等、小袋包装の実用化を図りました。


地産外商を狙った「土佐文旦」の長期貯蔵技術の開発(2011~2013)

 「土佐文旦」は通常12月中~下旬に収穫して1月下旬ごろから3月下旬まで出荷されていますが、出荷期間が短いため県外量販店ではスポット的な販売にとどまっています。
 そこで、県外量販店のニーズに対応し、販売期間を延長させるため「土佐文旦」をよりおいしい状態で長期貯蔵できる技術の開発に果樹試験場と共同で取り組みました。


とげなしナス品種の育成および栽培技術の確立(2010~2014)

 ナスの“とげ”は作業性を低下させ、収穫や選果および輸送中に果皮を傷つけるなどの問題があり、とげなしナス品種の育成が要望されています。
 そこで、当センターでは園芸育種担当が品種育成に、施設園芸担当(現・先端生産システム担当)は栽培技術の確立に取り組み、品質管理担当では機能性成分の測定と光沢や日持ち性などの特性調査を行いました。


アスパラガスの鮮度保持技術の開発(2010~2012)


アスパラ

 本県のアスパラガスは平成20年頃から生産量が増え始め、県外市場にも出荷されていますが、鮮度低下が顕著な品目であるため、消費地から遠隔にある本県では輸送中の品質低下が懸念されました。
 そこで、収穫後の吸水や温湿度管理の影響を検討するとともに、パーシャル大袋包装による鮮度保持技術を確立し、実用化しました。





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