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新しい病害虫 VOL.3 トマト黄化葉巻病

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病害虫防除所 : 2013/06/18

黄化葉巻病

病原ウイルス

Tomato yellow leaf curl virus(TYLCV)

発生作物

トマト

発生経過

平成16年2月、土佐市の施設栽培トマトで、生長点が萎縮する病害が発生したため、PCR(遺伝による診断)等による方法で同定を行ったところ本県では未確認であった黄化葉巻病によるものであることが明らかとなりました。本病害は国内では1996年に初めて発見され、東海、九州地方を中心に大きな被害をもたらしていますが、本県でも、早期の防除対策により他地区への広がりを未然に防ぐことが重要です。

病徴

本病害の症状は新葉が黄化、退緑しながら巻き込み、後に葉脈の間も黄化して縮葉となります(写真1)。さらに症状が進むと節間が短縮し、株全体が萎縮症状を示します(写真2)。発病前に着果した果実は正常に生育しますが、発病後は開花数が減少し、開花しても結実しないことが多く、大きな減収となります。また、品種による抵抗性はないと思われます。


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写真1:トマト黄化葉巻病の初期症状 :葉の黄化と巻き込み
写真2:成長点の萎縮症状

病原ウイルスの性質等

本病害の病原菌はトマト黄化葉巻ウイルス(Tomato yellow leaf curl virus(TYLCV))で、シルバーリーフコナジラミ(写真3.4)が一度ウイルスを獲得すると死ぬまで伝搬能力を持っています(永続伝搬)が、経卵伝染については不明です。また、土壌伝染、種子伝染、汁液伝染はしません。
本病害は他県ではトマトのほかトルコギキョウにも発生しているほか、雑草のウシハコベ、エノキグサへの感染が確認されています。
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写真3:シルバーリーフコナジラミ(成虫)
写真4:シルバーリーフコナジラミ(蛹)

防除対策

本病害が疑われるときは、早めに地域農業改良普及センター、病害虫防除所に連絡し、ウイルス検定を受けてください。

  1. 薬剤によるコナジラミ類の防除を徹底し、施設栽培では天窓や側窓に防虫網を張り、媒介虫の侵入を防いでください。
    施設周辺の雑草は媒介虫の発生源となるので、徹底した除草を行ってください。
    発病株は重要な伝染源となるので見つけしだい抜き取り、土中に埋めるなどの処分を行ってください。

平成16年3月 高知県病害虫防除所作成


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